「シロアリ駆除を業者に頼むと高い…自分でできないの?」と考える方は少なくありません。結論から言うと、軽度の被害であればDIYで対処できるケースもありますが、多くの場合は専門業者に依頼した方が確実で安全です。
この記事では、シロアリ駆除をDIYで行う方法と使える市販薬剤、自分で対処できるケースと業者に任せるべきケースの判断基準、そしてDIYのリスクと限界までを詳しく解説します。
シロアリ駆除は自分でできる?結論と判断基準
シロアリ駆除をDIYで行えるかどうかは、被害の範囲と進行度によって判断が分かれます。以下の表を目安にしてください。
| 状況 | DIY対応 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 羽アリを数匹見つけた | ⭕ 可能 | 市販のスプレーで応急処置。ただし巣がある可能性を考慮 |
| 床下に少量のシロアリを発見 | △ 条件付き | 床下に入れる環境で、被害が1坪以下の場合 |
| 壁や柱に食害痕がある | ❌ 業者推奨 | 構造材に被害が及んでいるため、専門的な調査と駆除が必要 |
| 床がブカブカする・複数箇所に被害 | ❌ 業者必須 | 広範囲の被害は修繕工事も必要になるケースが多い |
基本的に、被害が目に見える範囲に限定されていて、かつ床下にアクセスできる環境であれば、DIYでの対処が検討できます。逆に、被害範囲が不明、構造材にダメージがある、床下に入れない構造の場合は、無理せず業者に依頼してください。
自分でできるシロアリ駆除の方法3つ
DIYでシロアリ駆除を行う方法は主に3つあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
方法①:液剤(木部処理剤)を散布する
シロアリ駆除の基本となる方法が、木部処理剤の散布です。被害のある木材やその周辺に薬剤を塗布・注入することで、シロアリを駆除し、再侵入を防ぎます。
ホームセンターやネット通販で「シロアリ用木部処理剤」として販売されており、価格は1本(1〜2リットル)で3,000〜5,000円程度です。噴霧器を使って床下の木材に直接散布するのが一般的です。
メリット:即効性がある。被害箇所にピンポイントで対処できる。
デメリット:床下に入って作業する必要がある。薬剤の臭いがきつい場合がある。見えない場所の被害には対処できない。
方法②:土壌処理剤を散布する
シロアリは地中から建物に侵入するため、床下の土壌に薬剤を散布してバリアを作る方法があります。これは業者が行う「バリア工法」のDIY版です。
希釈タイプの土壌処理剤をジョウロや噴霧器で床下の土壌全面に散布します。価格は希釈前の原液で5,000〜10,000円程度。30坪の住宅で50〜100リットルの希釈液が必要になります。
メリット:地中からの侵入を広範囲にブロックできる。予防効果が高い。
デメリット:大量の薬剤を床下全面に散布するため作業が重労働。換気が不十分だと健康リスクがある。専用の保護具(マスク、ゴーグル、防護服)が必須。
方法③:ベイト剤(毒餌)を設置する
建物の周囲にベイト剤(毒餌)を埋設し、シロアリに巣に持ち帰らせて巣ごと駆除する方法です。床下に入れない場合でも設置できるのが最大のメリットです。
市販のベイト剤キットは6〜12個入りで3,000〜8,000円程度。建物の外周に沿って2〜3メートル間隔で地面に埋設します。効果が出るまでに1〜3ヶ月かかりますが、薬剤散布が難しい環境では有力な選択肢です。
メリット:床下に入らなくて良い。薬剤の臭いがない。巣ごと駆除が可能。
デメリット:即効性がない(効果が出るまで1〜3ヶ月)。定期的にベイト剤の交換が必要。シロアリがベイト剤にたどり着かない場合がある。
DIYに必要な道具と費用の目安
シロアリ駆除をDIYで行う場合、以下の道具が必要です。
| 道具 | 費用目安 | 用途 |
|---|---|---|
| シロアリ用薬剤(木部処理剤 or 土壌処理剤) | 3,000〜10,000円 | 駆除・予防の主剤 |
| 噴霧器(蓄圧式) | 2,000〜5,000円 | 薬剤を散布するのに使用 |
| 防護服(使い捨てタイプ可) | 1,000〜3,000円 | 薬剤や汚れから身体を保護 |
| 防毒マスク | 1,500〜4,000円 | 薬剤の吸入を防ぐ(必須) |
| ゴーグル | 500〜1,500円 | 薬剤が目に入るのを防ぐ |
| ヘッドライト | 1,000〜3,000円 | 床下での作業に必須 |
| 膝当て・作業用手袋 | 500〜2,000円 | 床下の移動・作業を楽にする |
DIYの総費用は1万〜3万円程度で、業者に依頼する場合(10万〜30万円)に比べて大幅に安く済みます。ただし、これは薬剤や道具のコストであり、作業にかかる時間と労力、そして駆除が不完全だった場合の再発リスクは含まれていません。
DIYシロアリ駆除の手順
実際にDIYで駆除を行う場合の基本的な手順を紹介します。
ステップ1:床下点検口から床下に入る
キッチンや洗面所にある床下点検口から床下に入ります。防護服、マスク、ゴーグル、ヘッドライトを必ず装着してください。床下は狭くて暗く、配管やダクトがあるため、無理のない姿勢でゆっくり移動しましょう。閉所恐怖症の方や体力に不安がある方は無理をしないでください。
ステップ2:被害箇所を確認する
ヘッドライトで木材の表面を照らし、シロアリの食害痕(木材がスカスカになっている部分)や蟻道(土のトンネル状の道)を探します。被害箇所の写真を撮影しておくと、施工後の効果確認や、後日業者に相談する際に役立ちます。
ステップ3:薬剤を散布する
被害箇所とその周辺の木材に木部処理剤を噴霧器で散布します。蟻道がある場合は崩してから薬剤を散布してください。土壌処理も行う場合は、床下の土壌全面に均一に散布します。換気を十分に行いながら作業し、作業後も数時間は換気を続けてください。
ステップ4:定期的に効果を確認する
施工後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月のタイミングで床下を再点検し、シロアリの活動が止まっているか確認しましょう。新しい蟻道が作られていたり、食害が進行している場合は、DIYでの限界と判断して速やかに業者に相談してください。
DIYシロアリ駆除のリスクと限界
コストを抑えられるDIYですが、以下のリスクと限界を理解した上で判断することが重要です。
リスク①:駆除が不完全になりやすい
シロアリの巣は地中深くにあることが多く、目に見える被害箇所だけを処理しても巣が残っていれば再発します。プロの業者は専用の機材で巣の位置を特定しますが、DIYではそれが難しいのが現実です。
リスク②:被害範囲の見落とし
シロアリは木材の内部を食い進むため、表面からは被害が見えないケースが多くあります。「この柱だけ」と思って処理しても、実際にはその奥の土台や梁まで被害が広がっていることが珍しくありません。専門業者は打診棒やファイバースコープなどで内部の被害も調査します。
リスク③:健康への影響
市販のシロアリ駆除剤は業務用に比べて低毒性ですが、密閉された床下で大量に散布すると頭痛、吐き気、皮膚のかぶれなどの症状が出ることがあります。特にアレルギー体質の方や呼吸器疾患のある方は、DIYでの薬剤散布は避けるべきです。
リスク④:保証がない
業者に依頼した場合は通常5年間の再施工保証がつきますが、DIYには当然保証がありません。再発した場合は再びすべて自費で対処する必要があります。結果として、最初から業者に依頼するよりトータルで高くつくケースもあります。
業者に依頼すべきケースまとめ
以下に該当する場合は、DIYではなく専門業者に依頼することを強くおすすめします。
- 被害範囲が不明:どこまで食害が進んでいるかわからない場合
- 構造材に被害がある:柱、土台、梁などの主要構造部に食害がある場合
- 床下に入れない:点検口がない、または床下の高さが40cm以下の場合
- イエシロアリの被害:被害の進行が早く、巣の規模が大きいため専門対応が必要
- 築10年以上で一度も点検していない:広範囲に被害が広がっている可能性が高い
信頼できる業者の見積もりは無料です。まずは調査だけでも依頼して被害の全体像を把握し、その上でDIYで対処できるレベルかどうかを判断するのが、最も確実で経済的なアプローチです。
シロアリ駆除業者選びで迷ったら、こちらの記事も参考にしてください。
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まとめ
シロアリ駆除のDIYは、軽度の被害で床下にアクセスできる場合に限り、1万〜3万円程度のコストで対処可能です。木部処理剤の散布、土壌処理剤の散布、ベイト剤の設置という3つの方法があり、状況に応じて使い分けます。
ただし、DIYには「駆除が不完全になりやすい」「被害範囲を見落としやすい」「保証がない」という明確なリスクがあります。少しでも判断に迷ったら、まずは業者の無料調査を利用して被害の全体像を確認することをおすすめします。プロの目で見てもらうだけでも、大きな安心につながるはずです。